最近、地方都市で貸し切りバスに乗って、ふとみると韓国・現代自動車製だったというケースに立て続けに出くわした。国内の大型バスは三菱ふそうや日野自動車など数社の寡占市場で、輸入車があるにしても従来は独ベンツやスウェーデンのボルボぐらいだったが、状況は変化しつつある。現代自動車は日本メーカーより10-15%安い価格を武器に、各地のバス会社に積極的な売り込みをかけ、昨年の販売台数は50台を突破したという。 少子高齢化、人口減少、長期の景気低迷などで、グローバル企業から見放された感のあった日本市場に韓国、中国、米欧企業が再び注目し、攻勢を強めている。分野は家電や自動車、高級日用品などが中心。国内総生産(GDP)の規模で中国に抜かれたとはいえ、世界第3位の経済大国の市場としての潜在力を再評価する動きといえる。しかし見方を変えれば、ホームグラウンドでも日本企業の価格競争力、商品力が低下、外国勢の浸食を許しているという状況でもある。

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