「人手不足」と外国人 (19)

ベトナム人留学生「『朝日新聞』配達」違法就労の「闇」(下)

執筆者:出井康博 2018年4月11日
エリア: アジア
ベトナム人ファット君が働く、『朝日新聞』販売所「ASA赤堤」(筆者撮影、以下同)

 

 出稼ぎ目的で来日した後、法律で許される「週28時間以内」を上回る就労をしている留学生は数多い。アルバイトをかけ持ちすれば、法律違反は簡単にできる。

 ただし、1つのアルバイトで「週28時間以内」を超えるケースは少ない。留学生を雇う側の企業も、入管難民法違反(不法就労助長)の罪に問われることを恐れるからだ。

 それが新聞配達の現場に限っては、留学生の違法就労が常態化している。しかも法律を逆手に取り、残業代すら支払われない。こんな理不尽な状況がまかり通っている職種は、外国人労働者が働く現場を長く取材している筆者も他には思い浮かばない。

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執筆者プロフィール
出井康博(いでいやすひろ) 1965年、岡山県生れ。ジャーナリスト。早稲田大学政治経済学部卒。英字紙『日経ウィークリー』記者、米国黒人問題専門のシンクタンク「政治経済研究ジョイント・センター」(ワシントンDC)を経てフリーに。著書に、本サイト連載を大幅加筆した『ルポ ニッポン絶望工場」(講談社+α新書)、『長寿大国の虚構 外国人介護士の現場を追う』(新潮社)、『松下政経塾とは何か』(新潮新書)など。最新刊は『移民クライシス 偽装留学生、奴隷労働の最前線』(角川新書)
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