「人手不足」と外国人 (23)

「幸せの国」ブータン留学生の「不幸せ」な実態(2)差し替えられた「契約書」

執筆者:出井康博 2018年8月27日
タグ: 人手不足 日本
エリア: アジア
「後出し」された2通目の契約書。1通目にあった好条件はすべて消えていた(筆者撮影)
 

 日本にブータンの若者を留学生として送り出しているブータンの斡旋会社「ブータン・エンプロイメント・オーバーシーズ」(BEO)と契約書を交わした後、ドルジ君(仮名・20代)は3カ月間に及ぶ日本語の研修を受けることになった。その傍らで、留学ビザ取得に向けた手続きも、BEOの手配で着々と進んだ。ビザを審査するのは、日本の法務省入国管理局と在ブータン日本大使館だ。両者から経費支弁能力の証明書類の提出を求められた際に備え、書類もBEOが用意してくれた。

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執筆者プロフィール
出井康博(いでいやすひろ) 1965年、岡山県生れ。ジャーナリスト。早稲田大学政治経済学部卒。英字紙『日経ウィークリー』記者、米国黒人問題専門のシンクタンク「政治経済研究ジョイント・センター」(ワシントンDC)を経てフリーに。著書に、本サイト連載を大幅加筆した『ルポ ニッポン絶望工場」(講談社+α新書)、『長寿大国の虚構 外国人介護士の現場を追う』(新潮社)、『松下政経塾とは何か』(新潮新書)など。最新刊は『移民クライシス 偽装留学生、奴隷労働の最前線』(角川新書)
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