
ローマ帝政への道を切り開いたカエサル(ニコラ・クストゥ作、ルーヴル美術館蔵)
ヨーロッパの源流は何といっても、ローマ帝国である。西欧の近代は、古典古代・ローマの「文藝復興(ルネサンス)」からはじまった。近代化とは一面、古代ローマをなぞって復活させてゆくことである。
だからこそ、ルネサンスはローマの古典を研究したし、グランド・ツアーはローマのあるイタリアをめざした。いま最も見やすい例でいえば、最古の近代国家のアメリカに、どれほどローマ時代風の建築の多いことか。アメリカの上院Senateも、ローマの元老院Senatusにほかならない。

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