岩瀬昇のエネルギー通信 (91)

原油「先物市場」の変調を読み解く「5つのキーワード」

制裁発動直前、イランのテヘランで行われた大規模な反米デモ(C)EPA=時事

 

 約1カ月半にわたったテヘランへの長期出張から日本に戻った1週間後の1979年11月4日、米国大使館占拠事件が発生した。

 あれから39年、奇しくもほぼ同じ日(11月5日)に、米国によるイラン制裁第2弾が発動した。

 だが、目玉となる「原油輸出ゼロ」への抑え込みは、土壇場にきて主要輸入国8カ国に対し「2次制裁免除」が通知され、先送りとなった。いや、「先送り」ではなく、これが恒常化するかもしれない。

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執筆者プロフィール
岩瀬昇(いわせのぼる) 1948年、埼玉県生まれ。エネルギーアナリスト。浦和高校、東京大学法学部卒業。71年三井物産入社、2002年三井石油開発に出向、10年常務執行役員、12年顧問。三井物産入社以来、香港、台北、2度のロンドン、ニューヨーク、テヘラン、バンコクの延べ21年間にわたる海外勤務を含め、一貫してエネルギー関連業務に従事。14年6月に三井石油開発退職後は、新興国・エネルギー関連の勉強会「金曜懇話会」代表世話人として、後進の育成、講演・執筆活動を続けている。著書に『石油の「埋蔵量」は誰が決めるのか?  エネルギー情報学入門』(文春新書) 、『日本軍はなぜ満洲大油田を発見できなかったのか』 (同)、『原油暴落の謎を解く』(同)、最新刊に『超エネルギー地政学 アメリカ・ロシア・中東編』(エネルギーフォーラム)がある。
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