地球儀を俯瞰した安倍外交―僻遠の地、カリブとの関係強化

執筆者:鈴木美香 2022年7月25日
タグ: 安倍晋三 日本
エリア: 中南米
トリニダード・トバゴのパサード=ビセッサー首相(当時)との夕食会に臨んだ安倍夫妻(C)EPA=時事
 
日本の首相として初めて非スペイン語圏のカリブ地域を訪問した安倍氏は、一定の経済発展に伴い政府開発援助(ODA)の対象から外れてしまう国々との関係構築という新たな課題に取り組んだ。国際情勢や自然災害等になお脆弱なこの地域にとって、安倍氏が打ち出したカリコム政策の意義は大きい。

 安倍晋三元首相の銃撃事件に関するニュースは、日本から遠く離れたカリブ地域にも伝わっており、大きな衝撃が広がっている。

 安倍元首相は、カリブ地域の小島嶼国・低海抜国が集まる地域機構カリブ共同体(カリコム)の独立14カ国のうち、トリニダード・トバゴ(以下、TT)とジャマイカを日本の首相として初めて訪問し、カリコムの政界・有識者の間では日・カリコム関係の発展に貢献したと高く評価されている。

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カテゴリ: 政治 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
鈴木美香(すずきみか) 福岡大学共通教育センター外国語講師および亜細亜大学国際関係学部非常勤講師。1980年、東京都生まれ。父親は日本人、母親はフィリピン人。2004年、上智大学大学院外国語学研究科地域研究専攻博士前期課程(修士課程)修了。公益財団法人国際研修協力機構(現 国際人材協力機構)での勤務を経て、2010年10月から2016年12月まで在トリニダード・トバゴ日本国大使館にて、専門調査員としてカリブ10カ国の政治・外交に関する情報収集・分析業務に従事。これまでにカリブ諸国の外交関係や移民問題、フィリピン人出稼ぎ労働者などについてレポートを発表。著書に『トリニダード・トバゴ-カリブの多文化社会』(論創社)、『日本の国際協力 中南米編』(共著/ミネルヴァ書房)。
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