中国は米国の半導体「技術封鎖」を突破するか
【特別企画】激動経済:「米中産業冷戦」の時代 (最終回)

SMICでは台湾・韓国から引き抜いた人材の退職が続いている ⓒCFoto/時事通信フォト
半導体は需給逼迫が長期化する見通しが強まるとともに、冷戦状態の米中両国の共通の弱点として、世界の半導体メーカーや装置、材料業界も巻き込んだ産業冷戦の最前線となった。米バイデン政権は最先端の半導体と生産設備の対中供給を封じることで優位に立ちつつあるが、米国自身の台湾、韓国依存の構造は続く。その中で、台湾のTSMCはスマホ、パソコンだけでなく、スーパーコンピューター、自動運転、暗号通貨など先端技術の根幹をも押さえるかつてない製造業となった。台湾、韓国だけでなく、米国、日本、欧州で進む半導体生産ラインへの投資は成功するのか、半導体入手に苦しむ中国は沖合200キロの距離にあるTSMCの工場群に手を延ばす誘惑に駆られないか、世界は半導体を巡る危険な時間にさしかかった。

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