中国は米国の半導体「技術封鎖」を突破するか

【特別企画】激動経済:「米中産業冷戦」の時代 (最終回)

執筆者:後藤康浩 2021年12月6日
エリア: アジア 北米
SMICでは台湾・韓国から引き抜いた人材の退職が続いている ⓒCFoto/時事通信フォト
米政府による中国半導体産業封じ込めは、世界第2位のスマホメーカーだったファーウェイをわずか1年足らずで脱落させた。習近平政権が期待をかけるSMICも技術的な壁にぶつかっている。だが、中国が台湾を手に入れ、手詰まりを一気に打開しようとする可能性もある。

 半導体は需給逼迫が長期化する見通しが強まるとともに、冷戦状態の米中両国の共通の弱点として、世界の半導体メーカーや装置、材料業界も巻き込んだ産業冷戦の最前線となった。米バイデン政権は最先端の半導体と生産設備の対中供給を封じることで優位に立ちつつあるが、米国自身の台湾、韓国依存の構造は続く。その中で、台湾のTSMCはスマホ、パソコンだけでなく、スーパーコンピューター、自動運転、暗号通貨など先端技術の根幹をも押さえるかつてない製造業となった。台湾、韓国だけでなく、米国、日本、欧州で進む半導体生産ラインへの投資は成功するのか、半導体入手に苦しむ中国は沖合200キロの距離にあるTSMCの工場群に手を延ばす誘惑に駆られないか、世界は半導体を巡る危険な時間にさしかかった。

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カテゴリ: 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
後藤康浩 亜細亜大学都市創造学部教授、元日本経済新聞論説委員・編集委員。 1958年福岡県生まれ。早稲田大政経学部卒、豪ボンド大MBA修了。1984年日経新聞入社。社会部、国際部、バーレーン支局、欧州総局(ロンドン)駐在、東京本社産業部、中国総局(北京)駐在などを経て、産業部編集委員、論説委員、アジア部長、編集委員などを歴任。2016年4月から現職。産業政策、モノづくり、アジア経済、資源エネルギー問題などを専門とし、大学で教鞭を執る傍ら、テレビ東京系列『未来世紀ジパング』などにも出演していた。現在も幅広いメディアで講演や執筆活動を行うほか、企業の社外取締役なども務めている。著書に『アジア都市の成長戦略』(2018年度「岡倉天心記念賞」受賞/慶應義塾大学出版会)、『ネクスト・アジア』(日本経済新聞出版)、『資源・食糧・エネルギーが変える世界』(日本経済新聞出版)、『アジア力』(日本経済新聞出版)、『強い工場』(日経BP)、『勝つ工場』(日本経済新聞出版)などがある。
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