「中国のテスラ」NIOはなぜ勝てるか

執筆者:村沢義久 2022年2月23日
エリア: アジア
ニューヨーク証券取引所に上場し、取引開始の鐘を鳴らすNIOの李斌CEO(右端=2018年09月12日)  ©︎AFP=時事
ファブレス、BaaS、バッテリー技術のブレークスルー――。この数年で急成長を始めたNIO(上海蔚来汽車)は、未来のEV市場を制する3つの有力条件を備えている。テスラも安閑としてはいられない。

   2030年時点でEV(バッテリー電気自動車)業界の頂点に立っているのはテスラであろう。しかし、現在のような独走状態を維持するのは難しいと考える。

   ライバルとして筆者が特に注目しているのが「中国のテスラ」とも呼ばれるNIO(上海蔚来汽車)だ。2014年11月に設立され、2018年9月12日にはニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場している。2021年の販売台数は前年から倍増し、9万台を超えた。

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執筆者プロフィール
村沢義久(むらさわよしひさ) 元東京大学特任教授、環境経営コンサルタント。1948年徳島県生まれ。東京大学工学部卒業、東京大学大学院工学系研究科修了(情報工学専攻)。スタンフォード大学経営大学院にてMBA を取得。その後、米コンサルタント大手、ベイン・アンド・カンパニーに入社。ブーズ・アレン・アンド・ハミルトン日本代表を経て、ゴールドマン・サックス証券バイスプレジデント(M&A担当)、モニター・カンパニー日本代表などを歴任。2005年から2010年まで東京大学特任教授。2010年から2013年まで東京大学総長室アドバイザー。2013年から2016年3 月まで立命館大学大学院客員教授を務める。著書に『日本車敗北 「EV 戦争」の衝撃』(プレジデント社)、『図解EV革命』(毎日新聞出版)、『日本経済の勝ち方 太陽エネルギー革命』 (文春新書)、『電気自動車』(ちくまプリマー新書)、『手に取るように地球温暖化がわかる本』(かんき出版)など多数。
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