【特別対談】篠田英朗×千々和泰明
ロシア・ウクライナ戦争「終結のシナリオ」と新しい「安全保障体制」構築の道筋(上)

「主権国家同士の戦争」を仕掛けたプーチンだが、その企図があえなく潰えた今も戦闘は続いている(写真は、ロシアの砲撃で炎上する首都キーウの住宅)(C)AFP=時事
篠田英朗:千々和先生はご著書『戦争はいかに終結したか』(中公新書)で、戦争の終わり方について「紛争原因の根本的解決」と「妥協的和平」という二つのパターンを提示されています。この本で示された枠組みと照らし合わせた場合、現下のウクライナ戦争の特徴や特異性をどう特徴づけられますか。
「非ナチ化」という言葉が示す強烈な意図
千々和泰明:この戦争が始まったときの演説で、プーチン大統領は「非ナチ化」という言葉を使いました。その「ナチ」はまさに、第2次世界大戦でソ連が連合国の一員としてナチス・ドイツを打倒したことにつながります。

「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン