ふりだしに戻った西武グループの再編問題。手枷足枷をはめられ追いつめられた後藤社長に残された策とは――。 八月十日午後五時、四月に開業して以来の業績不振の噂を裏付けるように人気のない東京プリンスホテル・パークタワー(東京都港区)の宴会場フロア。失脚した西武グループ総帥の堤義明(七一)にとって「最後の作品」となったそのホテルの奥まった一角で、西武鉄道社長、後藤高志(五六)の記者会見が始まった。 西武鉄道とコクド、プリンスホテルの三社合併を断念し、純粋持ち株会社方式によるグループ再編を目指す――。これが会見のテーマだったのだが、いつになく表情に険しさを漂わせた後藤は、いきなりその日の各紙夕刊の記事の批判を始めた。

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