西武再編でなぜ「野村証券」が注目されるのか

執筆者:安西巧 2005年9月号
タグ: 日本

ふりだしに戻った西武グループの再編問題。手枷足枷をはめられ追いつめられた後藤社長に残された策とは――。 八月十日午後五時、四月に開業して以来の業績不振の噂を裏付けるように人気のない東京プリンスホテル・パークタワー(東京都港区)の宴会場フロア。失脚した西武グループ総帥の堤義明(七一)にとって「最後の作品」となったそのホテルの奥まった一角で、西武鉄道社長、後藤高志(五六)の記者会見が始まった。 西武鉄道とコクド、プリンスホテルの三社合併を断念し、純粋持ち株会社方式によるグループ再編を目指す――。これが会見のテーマだったのだが、いつになく表情に険しさを漂わせた後藤は、いきなりその日の各紙夕刊の記事の批判を始めた。

カテゴリ: 経済・ビジネス
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
執筆者プロフィール
安西巧(あんざいたくみ) ジャーナリスト 1959年福岡県北九州市生まれ。1983年早稲田大学政治経済学部政治学科卒、日本経済新聞社入社。主に企業取材の第一線で記者活動。広島支局長、編集委員などを歴任し、2024年フリーに。フォーサイトでは「杜耕次」のペンネームでも執筆。著書に『経団連 落日の財界総本山』『広島はすごい』『マツダとカープ 松田ファミリーの100年史』(以上、新潮社)、『さらば国策産業 電力改革450日の迷走』『ソニー&松下 失われたDNA』『西武争奪 資産2兆円をめぐる攻防』『歴史に学ぶ プロ野球16球団拡大構想』(以上、日本経済新聞出版)など。
  • 24時間
  • 1週間
  • f