
2014年3月27日、包括和平合意の調印式に臨んだMILFのムラド議長(左から2人目)とアキノ・フィリピン大統領(同5人目)ら (C)EPA=時事
ミンダナオ平和構築支援は、緊急の人道支援と中長期的な開発支援の間に生まれる、いわゆる「ギャップ問題」を解消するために、「継ぎ目のない支援(Seamless Assistance)」を実践してきた事例ともいわれる[1]。緒方貞子氏は、紛争直後、復興の早い段階から迅速に事業に着手できるようにして、人道支援から開発支援へスムーズに移行できる準備をすることの重要性を説いていた。本稿では、ポスト冷戦期に日本が平和構築支援を本格化したミンダナオを事例とし、その継ぎ目のない支援がどのように始まったのかを中心に解説する。

「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン