「石破茂は対米自立、国防オタク、進歩的、魔人ブウ」――首相は何をする人ぞ

Foresight World Watcher's 7Tips

執筆者:フォーサイト編集部 2024年9月29日
エリア: アジア 中東
海外メディアには石破氏の勝利を1956年の石橋湛山に重ねる記事も[2024年9月20日](C)時事

 石破茂氏が「5度目の正直」で自民党総裁に選出され、10月1日に新内閣が発足する見通しです。党執行部と閣僚人事に注目が集まりますが、加えて見逃せないのが石破氏の外交・安全保障政策です。

 それは追々……というわけにはいかないのは、石破氏が米ハドソン研究所に寄稿した論文「Shigeru Ishiba on Japan’s New Security Era: The Future of Japan’s Foreign Policy」(9月27日付)が波紋を広げているからです。「アジア版NATOの創設」はかねて石破氏の持論ながら、まもなく首相の座に就くいま、これをどう踏まえておくべきか。今回取り上げる英「フィナンシャル・タイムズ(FT)」紙の指摘にもあるように、具体的な計画は語られないため海外メディアも様子見ですが、本来は日本の外交・安保に大きな影響を持つテーマです。本件、神保謙・慶應義塾大学教授による一連のXポストがとても参考になりました。

 国際情勢では、イスラエルによるハッサン・ナスララ暗殺が衝撃的なニュースとして伝わりました。本誌の村上拓哉・中東戦略研究所シニアフェローの分析『大規模空爆は「対ヒズブッラー」転進へのターニングポイントか:ガザと逆相関で増すイスラエル「第三次レバノン侵攻」の現実性』にもあるように、中東情勢はガザからレバノン・ヒズボラ・イランへと焦点が移る、新たな局面入りが確実です。村上氏の論考はナスララ暗殺の直前の執筆ですが、現時点でも「経緯や背景についての見方はこの時点と変わっていない」とのこと。必読です。

 フォーサイト編集部が熟読したい海外メディア記事7本、皆様もよろしければご一緒に。

Hassan Nasrallah's death will reshape Lebanon and the Middle East【Economist/9月28日付】

The Beeper Balance Sheet【Daniel Byman/Foreign Policy/9月19日付】

「耳が聞こえなくなるほどの沈黙だった。9月28日午後半ば、イスラエルがレバノンのシーア派民兵組織ヒズボラの指導者ハッサン・ナスララの暗殺を試みてからほぼ24時間が経過した。イスラエル軍はその朝、彼が死亡したと発表した。しかし、ヒズボラからは彼の運命について、またベイルート南部郊外にある本部への大規模な攻撃についても何も発言もなかった。通常は好戦的なメディアのお先棒担ぎたちでさえ、言葉を失って呆然としていた。ヒズボラは午後2時半ごろになってようやく彼の死を確認した」

 イスラエルによるナスララ殺害をこのように報じているのは、英「エコノミスト」誌サイトの「レバンと中東の形を変えるハッサン・ナスララの死」だ。

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