西武グループ支配権をめぐる三つ巴の暗闘

執筆者:杜耕次 2005年5月号
タグ: 日本

義明の保釈から一週間後、改革委員会は解散した。ぽっかり生じた「権力の空白」をめぐる暗闘は、再建の行方を大きく左右する。「いろいろご迷惑をおかけしました。申し訳ありませんでした」 三月二十四日午後五時四十五分ごろ、神奈川県二宮町の邸宅前で車から降り立った前コクド会長、堤義明(七〇)は、報道陣の要請に応じて謝罪の言葉を二度繰り返した。 西武鉄道株をめぐる証券取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載、インサイダー取引)容疑で東京地検特捜部に逮捕されてから保釈まで三週間。白髪と皺が目に見えて増えたその表情に、昔日のカリスマの面影はなかった。だが、拘置所から出てきた義明は側近たちにきめ細かい事業報告を求め、「事実上、現場復帰している」(プリンスホテル関係者)ともいわれている。

カテゴリ: 経済・ビジネス
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